ハノイ・カウザイで長引く腰痛に|“腰痛の本当の原因”とは?

腰痛の約85%は画像では単一原因が特定できない「非特異的腰痛」。当センターは“腰だけ”ではなく、全身の筋膜連鎖と動作のつながりから原因を特定し、個別最適の介入で再発しにくい身体づくりをサポートします。

「ヘルニアや脊柱管狭窄症が原因かもしれない」と不安に思う方は少なくありません。しかし実際には、腰痛の約85%は“非特異的腰痛”とされ、画像所見と痛みが必ずしも一致しないことがわかっています(Airaksinen et al., 2006, European Spine Journal)。だからこそ、痛みの部位だけを揉んだり、腰だけを矯正したりするアプローチでは限界が生じやすいのです。YAMATO Rehabilitation Center|ヤマト・リハビリテーションセンターでは、筋膜の連鎖(全身の張力ネットワーク)と動作評価を軸に、症状の根っこにある「なぜ腰に負担が集中したのか」を明らかにしていきます。

①20年来の腰痛が軽減:40代男性のケース

40代男性。朝起きたときやスポーツ時に腰痛が増悪。初回評価で見えてきたのは腰ではなく、胸郭・肩甲帯股関節周囲の硬さでした。初回は胸郭・股関節周囲の筋群を中心に滑走(筋膜)と可動性を整え、翌朝の痛みが軽減。以降は毎回の再評価で「その時点で腰痛に影響の大きい部位」を見極め、胸郭・股関節・体幹の連動を整えていくことで、20年来の痛みが日ごとに軽くなっていきました

②首と頭へのアプローチで腰痛が改善:40代女性のケース

40代女性。寝起きから腰の痛みが急に出現し、前屈も指先が膝に届く程度まで悪化。検査の結果、腰周囲そのものよりも頸部・後頭部の硬さが主要因と考えられました。そこで頸部後面の筋群に対する施術を実施し、その場で前屈が大きく改善。以降は腰痛予防のストレッチと、デスクワーク時の姿勢指導を組み合わせ、現在も再発なく経過しています。

もちろん腰自体の硬さが主因となるケースもありますが、臨床上は腰以外に問題が潜むことも多く、どこがボトルネックかを詳細に評価する必要があります。
これは、体幹・骨盤帯・上肢の協調運動が腰部負担に影響するという報告(van Dieën et al., 2019, J Electromyogr Kinesiol)とも一致する臨床的傾向です。

筋膜連鎖で読み解く腰痛:全身のつながりから原因を特定

筋膜は全身を包む膜状の結合組織で、筋・骨・臓器を一本の張力ネットワークとしてつなぎます。例えば、後面を縦断する浅後線(SBL)、体幹と下肢を斜めに結ぶファンクショナルライン(FL)、姿勢と呼吸を司る深層のディープフロントライン(DFL)の3ラインは腰部と連結を持ち、症状に関与することがあります(Myers, Anatomy Trains, 4th ed., 2020)。※画像はAnatomy Trains(Thomas W. Myers, 2020)の概念をもとに当センターで作成。

筋膜連鎖(SBL・FL・DFL)の概略図

① 浅後線(Superficial Back Line:SBL)

足底腱膜 → 下腿三頭筋 → ハムストリングス → 仙結節靭帯 → 背筋群(脊柱起立筋など) → 後頭下筋群

  • 足裏・ふくらはぎ・太もも裏・背中・後頭部まで、後面を一本の張力ベルトとして連結します。
  • ここが硬いと前屈や長時間立位で腰部への牽引ストレスが増大します。
  • 臨床では足底/下腿後面/ハムスト/頭部の筋膜の滑走改善や胸椎可動性の回復により、腰部の過剰代償が抑えられ痛みが和らぐことがあります。

② ファンクショナルライン(Functional Line:FL)

広背筋 → 胸腰筋膜 → 反対側の大殿筋 → 大腿筋膜張筋/外側広筋

  • 体幹と下肢を対角線状(クロス)に結ぶ力学連鎖です。
  • 右広背筋×左大殿筋(または左広背筋×右大殿筋)の協調不全・滑走低下は、回旋時痛や立ち上がり痛、不安定性につながることがあります。
  • 介入は広背筋〜胸腰筋膜〜対側殿筋〜外側広筋の滑走再建と筋活動の再教育を組み合わせます。

③ ディープフロントライン(Deep Front Line:DFL)

腸腰筋/横隔膜/内転筋群/骨盤底筋群/前頸筋群 など

  • 姿勢制御・呼吸・腹腔内圧に関与する深層の抗重力ラインで、腰椎前弯や骨盤傾斜のコントロールに直結します。
  • 腸腰筋短縮や横隔膜の可動性低下は、起床時痛・立位保持困難や腰椎伸展ストレスの増大につながりやすいです。
  • 臨床では腸腰筋・横隔膜・内転筋群などへ介入することで、腰部のこわばりが緩む症例が多くみられます。

評価から介入へ:ヤマト・リハビリテーションセンター式“個別最適”プロセス

同じ“腰痛”でも、効く介入は人それぞれ。SBL優位の牽引ストレス、FLの協調不全、DFLの内圧コントロール不全など、患者さん毎に適切な評価と施術をすることが最短の改善につながります。

近年の研究でも、個別化された運動療法(Individualized Exercise Therapy)が慢性腰痛に最も効果的と報告されています(Saragiotto et al., 2016, BMJ)。

評価・施術の流れ

  1. 動作分析①:腰の前屈・後屈・回旋・側屈など基本動作に加え、どの姿勢・動きで痛むかを確認します。そのうえで腰部周辺の原因候補を絞り込みます。
  2. 動作分析②:原因となる腰の筋・関節を特定したら、なぜそこに負担が集まったのかを筋膜連鎖の観点で全身評価(胸椎・股関節に加え、肩や足首もチェック)。
  3. 触診・滑走評価:関連筋・関節の硬さや滑走不全を実際に触りながら確認をします。原因が単一の場合もあれば、複数(3〜5か所)絡み合うこともあります。
  4. 施術:優先部位に徒手療法を実施し、その都度再評価。痛みが解消・軽減したら、再発予防の運動・生活指導へ。残存痛や新たな痛みがあれば、再度①〜④を反復して深部原因を解決します。

自宅でできるセルフケア

個別性を前提としつつ、比較的多くの方に有効な基本ストレッチを提示します。焦点を腰だけに絞らず、上下の股関節・胸椎も含めて行いましょう。

まず取り組みたい6つ(当センター推奨)

  1. 梨状筋マッサージ:仰向けになり、お尻の下にテニスボールなど適度に硬さのあるボールを置きます。体重をゆっくりかけながら、お尻の奥にある梨状筋を刺激するようにマッサージします。股関節の内旋制限の改善や、坐骨神経痛のような症状の軽減に有効です。
  2. 梨状筋ストレッチ:仰向けで片膝を軽く曲げ、反対側の足を使ってストレッチしたい足を内側に倒します。お尻の奥(梨状筋)に伸びを感じる位置で10〜20秒キープ。股関節の内旋制限の改善や、坐骨神経症状の軽減に効果があります。
  3. 腸腰筋ストレッチ:片足を前に、もう片足を後ろに大きく開いてランジ姿勢をとります。後ろに伸ばした足の付け根(股関節前面)が心地よく伸びる位置で姿勢を保ちましょう。骨盤の前後バランスを整え、腰部の過伸展(反り腰)を軽減するのに有効です。
  4. ハムストリングスストレッチ:仰向けで片脚を持ち上げ、両手で太ももを支えます。そのまま膝をできるだけ伸ばして、太もも裏に伸びを感じる位置をキープ。ハムストリングスの柔軟性を高め、前屈時の腰部負担を減らします。
  5. 広背筋ストレッチ:四つ這いの姿勢から、伸ばしたい側の手の甲を反対側の手の下に滑り込ませます。脇の下から腰の外側(広背筋・胸腰筋膜)にかけて伸びを感じながら、ゆっくり呼吸を続けましょう。胸腰筋膜の張力を整え、体幹のねじれや回旋時の負担を軽減します。
  6. 胸椎モビリティ:横向きになり、上側の足を90度ほど曲げて前方に置き、下の足はまっすぐ伸ばします。上側の腕を90度以上持ち上げ、そのまま肩甲骨 → 胸 → 腕の順でゆっくり後方へ開きます。腰を反らさず、胸郭の動きだけを意識するのがポイント。胸椎の可動性を高め、腰椎の代償動作を抑制します。

※セルフケアは一般例です。症状に応じて内容・回数は調整してください。痛みが悪化しそうな場合は直ちに中止してください。

よくある質問(Q&A)

Q. 画像では異常なしと言われましたが、腰が痛いのはなぜ?
A. 腰痛の多くは「非特異的腰痛」で、画像所見と痛みが一致しないことがよくあります。筋膜・関節の可動性低下や動作のクセ、体幹の協調不全が原因のことがあります。

Q. どのストレッチから始めればいい?
A. 目安として、前屈で痛む→ハムスト・ふくらはぎ、回旋や立ち上がりで痛む→広背筋・殿筋、起床時痛が強い→腸腰筋・横隔膜を優先。痛みが増す場合は中止してください。

Q. コルセットや腰ベルトは使ったほうが良い?
A. 急性期の短期間(受傷後1週間以内)は有効ですが、長期使用は筋力低下を招きます。早期の運動療法が推奨されています(Qaseem et al., 2017, Ann Intern Med)。

Q. 温める・冷やすはどちらが良い?
A. 受傷直後や強い炎症感がある場合は冷却を短時間(15〜20分)目安に。慢性期のこわばりには温熱で血流を促し、その後に軽い運動やストレッチを組み合わせると効果的です。

Q. デスクワークで悪化します。姿勢はどうすべき?
A. 完璧な「固定姿勢」より、30〜60分ごとの小休止と体位変換が有効です。椅子は座面の奥まで座り骨盤を立て、画面は目線の高さ、足裏は床に接地させましょう。

Q. 受診が必要な「赤信号」はありますか?
A. 発熱や原因不明の体重減少、夜間痛の増悪、強い下肢の脱力・しびれ、会陰部の感覚異常、排尿・排便障害などは早急に病院を受診してください。

お問い合わせ・ご予約案内

「腰の痛みを何度も繰り返している」「病院で異常なしと言われたけれど痛みが取れない」「整体やマッサージでも改善しなかった」――
YAMATO Rehabilitation Center | ヤマト・リハビリテーションセンターは、ハノイ・カウザイ地区にある腰痛・姿勢改善に特化したリハビリ専門施設です。

国家資格を持つ理学療法士が、筋膜のつながりと動作評価に基づいて原因を分析。
“腰だけを揉む”のではなく、全身のバランスから痛みの根本原因を探り、再発しにくい身体づくりをサポートします。

ご予約・お問い合わせは公式サイトまたは電話・Zaloからいつでも可能です。
初回のご相談だけでも大歓迎ですので、ぜひお気軽にご連絡ください。

【YAMATO Rehabilitation Center | ヤマト・リハビリテーションセンター】
「地域と向き合い、腰痛のない快適な毎日をサポートします」
📍 住所:Tầng 2, tòa nhà Home City, 177 Trung Kính, Tổ 51, Phường Yên Hòa
🕒 営業時間:月曜–土曜 : 9:00–21:00、日曜 : 10:30–21:00
📞 電話/Zalo:0969020032
🌐 公式HPはこちら
📆 予約はこちら

    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です